Regenerative practice on White Sage

ホワイトセージを守るために

ホワイトセージのある風景.JPG
 

前回スマッジングの文化盗用についてのお話をしました。今回はホワイトセージの違法採取と乱獲問題についてと、私たちが北アメリカ先住民文化や環境を尊重できるスマッジング方法についてお話していきます。

ホワイトセージの違法採取

スマッジングがトレンドとなってしまった今、野生のホワイトセージを違法に採取する人たちが増え、しかも植物の再生が全く追いつかないスピードで乱獲されています。ホワイトセージが原生しているエリアは自然保護区やネイティブアメリカン居留地であることが多いのですが、そこに違法に採取する組織が訪れます。2018年には200kgもの違法採取をしていた4人が逮捕されましたが、そういったグループは彼ら以外にも多く存在するそう。信頼できるソース(例えば先住民の所有する独立系ショップなど)から買う以外は、今の市場に出回っているもののほとんどが違法採取されたものだと言われています。



世界中で需要が大きくなってきたということは今まで以上に生産をしないといけないということ。だけどもともとスマッジングもホワイトセージも文化であり、売り物ではなかったため、ホワイトセージ農家などはありませんでした。(今はいくつか家族経営の小さな農家が存在しているようです)そこで利益を優先する大きな企業は安く仕入れることができるからと、公共の場、自然保護区に生息しているホワイトセージを違法採取している業者から買い取っています。


そういった違法な採取をしている人たちは、葉だけを丁寧に採取するようなことはせず、大きな茂みを根こそぎ引き抜いて持って行ってしまいます。植物は正しくケアをすれば、再生し、より大きく繁栄していく生き物です。でも根こそぎ取ってしまえば、もちろん再生はしません。先住民の人々は昔から植物が繁栄するためのケアをする事と引き換えに、自然の恵みを受け取ってきました。彼らが大事にケアして繁栄させてきたセージは、どこからともなく現れた大きな企業と無知な消費者に根こそぎ、彼らの神聖な文化とともに一緒に盗まれています。


先住民の方達の願い

これらの事実を知ってからは、軽い気持ちでホワイトセージを燻らせることがでなくなりました。もちろん、スマッジングというスピリチュアルな行為やホワイトセージという植物は北アメリカの先住民だけの所有物ではありません。彼らはただ、母なる大地をリスペクトすることと、本当に浄化がしたいのであれば彼らの文化を正しく学ぶことを願っていると言っていました。大地から無理やり奪ったホワイトセージにそもそも良いスピリットが宿っていると思う?この問いかけは胸に刺さりました。

 
ホワイトセージ.JPG
 

私たちにできること

世界各地に煙で浄化させる文化はたくさんあります。日本でもお香を炊いたり、お寺で煙をかぶる文化がありますよね。だったら、わざわざ遠くの国の人たちの真似して誰かを悲しませるより、身近な文化のスマッジングをしてみませんか?きっとその土地に合った浄化法というのがあり、自分と周りのスペースの間により心地よい結びつきが生まれるのではないでしょうか。私にとって日本の香の文化はいつか学んでみたい憧れでもあります。

もし今のスマッジングスタイル(バンドルはビジュアル的にも素敵ですもんね)が気に入っているなら、せめて自分でハーブを育ててそれでスマッジングしてみてはどうでしょうか?ローズマリーやミントは日本でも簡単に育てられるし、ホワイトセージのように空間の浄化作用があるとされています。自分で大事に育てれば、そのハーブに自分で良いスピリットを注ぐこともできますよね。

それでもやっぱりホワイトセージを使いたいのなら、信頼のおける先住民の人がやっているようなお店から購入して彼らのビジネスのサポートをし、彼らからスマッジングの正しい流儀を対価を払って学ぶというのが良いのでは、と思います。ネイディブアメリカンのスピリチュアリズムに惹かれる気持ちはわかります。彼らの叡智には誰もが納得させられる物事の本質があります。わたしもすごく惹かれている1人です。だからなおさら形だけではなく、もっと奥にある歴史や文化、スピリチュアリティについても知りたいと思うのですが、みなさんはどう思われますか?

これからもホワイトセージのスマッジングを続ける、続けないはそれぞれの判断です。だけどトレンドの裏に隠された事実について知った上で、ご自身の優しさに基づいた選択をしてくださることを願っています。